《日常のコマゴマ》 続 ねこを飼いたいそうで・・・
配偶者が最近
◆ねこを飼いたい
とはりきっていることを先日お知らせしました。
その後にはまったOODAループの沼があまりにも深すぎて,いまだに潜航したままで浮上できずにいるので,その間にあったコマゴマをお知らせして少し息継ぎをしようと思いました。
・・・・・ッダァ・・ブハァ・・ハァハァハァ・・・・・
沼の水を相当吸い込んでしまいました。
《保護活動をしている担当の方と連絡》
配偶者はその後,持ち前の行動力を機敏に発揮して,里親活動の運営者にメールや電話で連絡をとっていたようです。
そのうちの1つのサイトで紹介されていたねこの里親になりたいと言います。
でも,そのねこをしっかり飼うことのできる環境かどうかを,その保護活動を運営する担当の方がリサーチする約束になっているとのことでした。
ほしい・・・じゃあげる・・・可愛がってね・・・はいはーい・・・というようなことでは決してありません。
いまの世の中では当然です。
まず,そのリサーチの初期段階では,
◆里親になりたい家族の全員が,いま子猫を預かってくださっているおうちを訪問して実際にねこと対面する
というようなことがきまりになっているのでした。
あからさまにはおっしゃいませんでしたが,当然に里親候補が本当に適格なのかを,預かり主さんが吟味するということなのだろうと思います。
両目がグールグル渦を巻いていて,ナイフをナーメナメしてるヤツが家族にいないとも限りませんから。
《急きょ面会に行くことになる》
金曜日の夜に単身赴任先から自宅に帰って,翌土曜日の朝,起き抜けでまだボーッとしている僕に配偶者は
「日曜日の午前中に子猫に面会に行く約束をしたよ」
とにこやかに宣言するのです。
実は以前,その週は土曜日のうちに帰らなくちゃいけないと言ってありましたところ,「いや,申し訳ないが・・・」と前置きしてもう一度事情を伝えて再考を促しました。
「あぁぁぁぁ,そうだったね。・・・そうかぁぁぁ。じゃあこれからもう一度アポを取り直してみるっ」と,勢い込んで担当の方に電話連絡を始めます。
もうね,一直線感がハンパない。視線の先の焦点が焦げそう。
そんなことでどうする。余裕を持てぇ。
と思いながらも様子をうかがっておりますと,幸いなことにその日の午後5時ならば預かり主さんの時間がとれるとの返事をもらったようでした。
配偶者よろこぶよろこぶ。
《急な決定への対応》
さて,まったく予定していなかった面会日が急にその日に設定されたことで,クリアしなければならないことがそこそこ生じました。
まず,預かり主さんのおうちが遠い。そのうえ午後5時って・・・。
僕の自宅から預かり主さんのおうちまでは高速道を使って1時間30分ほどかかります。
往復3時間です。僕は土曜日のうちに赴任先のねぐらへ帰りつくことができるのか。
そこは僕の問題なので配偶者は気づいていません。
もうね,それどころじゃない。
もう一つの問題は息子です。
その日は昼までの授業のあと部活の予定が入っています。
午後3時過ぎにはこっちを出ないといけないのに間に合いません。
配偶者は猛スピードで学校に電凸のうえ,授業が終わったら電話させるようにお願いしています。
こっちはとても機敏かつ丁寧です。
というわけで,一応問題解決は完了した体裁です。
僕のほうはねこ面会問題とは切り離して解決するしかありませんから。
単純化はプロブレムソルヴの第一歩です。
配偶者はそわそわしながらも満足気です。
《面会してみると・・・》
はじめてのところに行くときには,配偶者に運転を任せ,僕は助手席でナビゲーションというフォーメーションにします。
配偶者は,カーナビの音声だけでは右左折のタイミングの距離感が掴みにくいそうで,僕の役目はカーナビとグーグルマップを見比べながらの細かいアドバイスです。
ブレーキのタイミングに言及したりすると険悪になることもあるので極力しないように努力しますが,安心安全な運転はみんなの願いですので,必要な警告はします。
僕も全く知らない場所へ行くときには,カーナビの不親切を補完してもらいながら運転したいところなのですが,配偶者は地図を見るのが苦手なので,このフォーメーションは時折有効です。
さて,息子が帰ってくると気がはやり,予定より早く出発して現地付近での待機を目論みました。
目的地近くのスーパーマーケットで時間を調整したうえで預かり主さんのおうちへ。
「早めに着いたのなら遠慮せずにご連絡くださればよかったのに・・・」というお話しで,コミュニケーションは効率化の第一歩だなと再認識しながらおうちのなかへと。
2階の一室に通されると,そこにはざっと7匹ほどのねこがいます。
ケージに1匹,ほかはキャットタワーやケージのうえでくつろいでいました。
もともと里親募集のサイトに写真が掲載されていたのは茶トラ,茶と白の細かな縞模様の生後2か月くらいのオスの子猫2匹でした。
面会に行ったところ,その姉なのか妹なのか,黒っぽいぶち模様のメスがもう1匹いて,子猫は全部で3匹でした。
そのほかにも,5~6か月ほどのメスのねこやねこエイズの結果が陽性だったためにケージのなかにいるねこなど4匹ほどが室内にいました。
《預かり主さんとの対話・・・その後》
預かり主さんのご家庭では,ねこ1匹とわんこ1匹を飼ってらっしゃるそうで,その部屋にいるねこはすべて一時的な保護ねこなのだそうです。
里親が見つかるまでのあいだ預かっているんですよぉとあっけらかんとおっしゃいますが,これまで飼ったことのない身としては,これだけいると世話も大変だろうなぁというのが実感です。
きっと,いまのねこに里親が見つかっても新たな保護ねこを預かるのでしょう。
とてもほがらかで包容力を感じるおだやかな方でした。
このたび配偶者の ”ねこと暮らしたい” という想いからいろいろジタバタがはじまりましたところ,ここまでの経緯に限っても,そういうボランティアの人たちと直接お話しする機会を得て感じたり考えたりするところが多々ありました。
保護動物に新しい生活の場を与えるマッチングの手助けをする,そういうコミュニティーがあることは知識としてありましたが,そこで実際にその手助けをしている方々の想いに触れたのは今回がはじめてでした。
面会中はねこの可愛さに癒されて和やかな会話に終始しましたが,車で帰る途中で配偶者が言うには,そのコミュニティーのサイトの過去の書き込みなどを見ていくと,いろんな人が里親に立候補し,なかには心無いことを書き連ねるヒトがいたりするのだと言います。
僕もその日に自宅から赴任先に帰る途中でサイトを見てみました。
いわれのない悪口にはしっかり反論しておかねばならないというのは鉄則ですが,その返信の文面には,担当の方のやるせない気持ちがにじみ出ていたりして,ついつい感情移入してしまいました。
ご自身の日々の生活に加えて,動物を保護して預かり主に一旦委ね,里親募集のサイトに掲載のうえ,よりよい里親に託したいという想いで里親をマッチングしていくという,大変な手間をかけていらっしゃることを今回のことでよく理解できました。
しかし,飼いたい側の一部のヒトビトにはペットショップ代わりの感覚があるようです。
マッチングが不調に終わると,そんなヒトビトから感情的なことも書き込まれます。
それへの返信の文面は抑制的ではありますが,そりゃ担当の方も腹が立つでしょう。
僕もサイト上のやりとりを見て腹立たしい気持ちになりました。
アドレナリンで少し背中と腰がピリピリする感じ。
桃太郎侍なら退治てくれちゃうんですが・・・。
そうもいかないので,もし我が家が里親に選ばれたならば,ねこに目いっぱい楽しい生活環境を提供します。
やり場のないいきどおりで生じたアドレナリンは自分のカラダを痛めてしまいます。
ご担当の方,預かり主のみなさん,是非おからだをお愛いください。
保護した動物も新たに里親になる人たちも,あなた方のおかげできっと楽しい生活を送ることができます。
さて,その後,配偶者は初心者であるにもかかわらず,茶トラとブチの2匹を迎え入れたいといって張り切っています。
その意向はすでにご担当者に連絡済みなのだそうです。
身の程知らずなんじゃないかぁ?大丈夫なのかぁ?
確かに預かり主さんのお宅にいたねこたちがお互いにいたわりあっているのを見て,1匹よりも2匹のほうがねこにとって良さそうかなぁとは思いました。
朗報をお待ちしておりまする。