《愚見数則》10 知らないと大損する夏目漱石の処世訓
愚見数則の第10回です。
原文
頼まれもせぬに、かゝる事をなすは、
勝手に現代文
みだりに人を批評するな。そのような人だと心の中で思っていればそれで済む。悪い評判を例にしてみなさい。口から出した言葉を再び口にいれようとしても、その効果はない。まして,又聞きや噂などという薄弱な土台の上に設けられた批評など論外である。学問上のことについては無闇に議論しない。人の攻撃にあって,破れやほころびが表面化するのを恐れるからである。人の身の上について,尾ひれをつけて誇張して触れ歩くこと,これは他人を雇って間接的に人を殴ることに異ならない。頼まれたことなら良し悪しはない。
頼まれもしないのに,このような事をするのはものずき中のものずきというものだ。
前回,僕のからだの半分は悪口でできていると告白したわけですが,いきなりここで戒められてしまいました。
昨今はSNS流行りですので,悪口を書くにも ”グループ” に気を付けておかないと,僕の知り合いに誤爆でご本人に悪口を炸裂させてしまって,数年間もう出汁昆布級にカリッカリに干された人がいます。
それが相当にからかった内容だったものですから 「俺の目が黒いうちはヤツを・・・ 」なんて湯気が見えるほどのお怒りだったそうで,そのひとが定年退職して影響力が薄れてから,ようやく周囲が水をかけてやれたということでした。
いまは・・・ ”増えるわかめちゃん” 状態です。
まさしく「再び口に入れんとした処が,其甲斐なし」ですね。ばっちり記録で証拠が残っちゃいますので,なにかの間違いなんてことも言えませんから。
僕もこれまで,苦笑いで済む他愛のないレベルながら,何度か誤爆の経験もありますので十分に気を付けます。
メールがみだりに人を批評する内容になっていないか気をつけること・・・と同時に宛先をしっかり確認すること・・・ですね。
わかりました。ご忠告ありがとうございます。