単身の作り置きレシピ5 牛すね肉のスープストック編
たまにカレーやシチューを無性に食べたくなります。
カレーならお店でもレトルトでも食べることはできますが,自分の好みとは違う感じです。
よく似た別の食べ物というような・・・。
そのうえ,面倒なことに僕はカレーよりもクリームシチューが好きなんです。
シチューごはん。
街にカレーライス屋さんはあってもシチューごはん屋さんは見かけませんし,レトルトも限られておりますので。
そこで・・・
シンプルなスープを冷凍ストックしておけば,解凍して市販のルーを溶くだけで自分の好みに調節できるのではないかと考えました。
ということで,今回はそのご紹介です。
ルウから手作りしたい…というほどのこだわりがなくて自分でも本当に良かったと思っています。
そんなご無体な一貫性の持ち主だと,偉業を達成するか干からびるかのどちらかでしょう。
ほどよくいい加減な感じが身を助けることもありまする。
さて,ここでご紹介する具材はとてもシンプルに,牛すね肉,たまねぎだけです。
お好みでにんじんなら入れることはできますが,じゃがいもは煮込む段階を経ても形が残っているかどうかは不安です。
材料
◆牛すね肉=400グラムくらい
スーパーで100グラム200円台でしたので,2パック400グラム程度のものを買いました。
牛すね肉は煮ても溶けませんので煮込み料理に最適です。
カレーシチュー用の細切れなども売られています。
すじ肉も,少し香りや食感にクセはありますが代用できます。
◆たまねぎ=2個
◆ブイヨン=今回はS&Bカレープラスのブイヨンのペーストを1袋
炒め玉ねぎをペースト状にしたものを入れることもあります。その時の気分で両方入れたりもします。どちらもカレールーの棚付近で売られています。
◆水=1リットルくらい
材料はこれだけです。
とてもシンプルですが,これだけでも立派に ”コク” のあるスープになります。(当人比)
このごろは料理の世界でも科学的な検証が取り入れられており,ネット上でも
という言葉が飛び交っていました。
肉を焼いたときに肉汁が熱で飴色になって付着する,そのようなことをメイラード反応と呼ぶようです。
食欲を刺激する香りとともに,舌の付け根付近にグッと訴えかける ”コク” を作ってくれているのはそんな反応だったようです。
アミノ酸と糖類が熱で結合してメラノイジンという飴色のものを生じさせるというのですから,炒め玉ねぎなんかもまさしくそれです。
今回いれたブイヨンペーストも飴色で,メラノイジンがたっぷりな感じです。
コクを求めて飴色玉ねぎを自分で作るには相応の時間を要します。
純粋に料理を楽しみたいときにはそれも良いのでしょうが,僕の日常では家事の時短で自分の時間をこしらえることも大切です。
家事に追われて逃げ惑うのではなく,楽しく攻めて追い詰める感じが理想です。
100円(飴色玉ねぎペースト1袋の販売価格)でその労働力を買ってきているわけですね。
どうせあとで煮込んでしまうのに,なぜ一旦フライパンで肉や玉ねぎを炒める必要があるんだろうと前々から思っていたのですが,これを知ってからは時短のためにメラノイジンを含む食材を別に入れることでその工程を省略することにしています。
なんでも手抜きが良いとは思っていませんが,根拠をもって省略できるのは少しうれしい感じです。
お肉に焦げ目がついているほうが見た目にはおいしそうな気もするのですが・・・。
器具
◆圧力鍋=2.5リットルの圧力鍋を使っています。
僕はWMF社製の2.5リットルを愛用しています。
圧力鍋は単身者の味方です。時間のかかる煮込みもアッという間にできます。
そんなこんなでフライパンは使いませんので,今回もいたって静的な料理風景になります。
◆包丁=セラミック製のものを使っています。
切れ味が落ちにくいとの評判で買いましたが,他のものと比べていないのでひょっとするとどうかします。そろそろ1年半になりますがまだ不都合は感じていません。
◆まな板=プラスチック製の小ぶりのものをつかっています。
◆シリコン製のヘラ=どこで買ったものか覚えていませんでしたが,無印良品製であることが最近わかりました。
熱にも強く,適度な弾力を持っていますので,すくう,混ぜる,つぶす,こそぐ,などのことが便利にできます。
すくうタイプでなく,こそぐことに特化したものなども売られており,それは ”スパチュラー” と呼ばれていました。日常で使わない発音が含まれていて語感がよいですね。スパチュラスパチュラスパチュラ。
作り方
ドーンでバーンな乱暴者で毎度恐縮です。
◆玉ねぎの皮を手でむき,ざっくり切る。
◆牛すね肉を眺めて,必要ならば好みの大きさに切る。
ゴロゴロ感を出すために今回は切りませんでした。写真のとおり8つのかたまり肉です。
◆圧力鍋にすね肉8個をドーン。玉ねぎ2個をバーン。水1リットルをザーッ。
◆ペースト状の ”ブイヨン” を絞りいれる。
◆圧力鍋のパッキンの取り付けを確認して,蓋をセットする。
◆中火(鍋底に火の先端が触れるくらい)で圧力がかかるのを待つ。
◆圧力がかかったら,ごく弱火(青い炎がコンロのバーナー付近でうっすら見える程度)にして約20分程度キープする。
圧力鍋は,鍋の中の水蒸気の圧力が高まるにつれて蒸気穴のなかにある球弁を吹き上げて容器を密閉し,一定の圧力に達するまで鍋の中の圧力を高めていきます。
設定した圧力を超えると,安全弁の作用によって圧力が外に逃がされる構造になっていますので,蒸気が爆発的に噴き出すようなことはありません。
圧力を適正に保つためには,パッキンを定期的に交換するなど,少しのメンテナンスが必要ではあります。
◆火を止めて圧力が自然に下がるのを待って蓋をあける。
これでできあがりです。
所要時間約1時間です。
冷凍用バッグ4袋に取り分けて,空気を抜き,常温に冷まして冷凍庫に入れます。
冷凍庫に入れる前は液体ですが,凍ったあとも限りある冷凍庫スペース内で埋もれずに存在が主張できるよう,良い形で凍るように検討を要します。
まだ,ベストなマネジメントはできていません。
先日は無造作に凍らせたら,フリーザーバッグ同志が寄木細工のように密着してしまって2袋とも解凍するハメになりました。
さて,食べる段のことです。
アルミなど熱伝導性の良い金属のうえに置けば早く自然解凍できるのだそうです。
電子レンジを弱めの出力にして,液体が少し出る程度まで解凍するとフリーザーバッグから取り出せますので,その後は凍った部分も含めて鍋に移して温めています。
加熱のすべてを電子レンジに任せるとバッグが過熱したり穴が開いたりするかもしれないと思ってしまう心配性なので。
あとはお好みのルウを,まずは一片から調節しながら入れていきます。
なにごとも短気で生じた不具合の修復には時間がかかります。
すぐに溶けるので様子を見ながら足していく方法をお勧めします。
目安を申し上げるならば・・・
冷凍バッグ1袋の内容がおよそ380㏄くらいでした。カレーなら2皿分くらいです。
てもとにあるカレールウ(熟カレー)は8皿分で8個のルウに小分けされていましたので保存も楽です。2個入れればよい感じです。
シチューのルウはカレーほど多種でないうえ,僕の好みのものはカレールウほど手軽な保存ができるようにはなっていませんので,板状のものを割りいれて,残りは冷蔵保存することになります。
シチュー派はまだ少数勢力ですね。なんてったって相手は国民食ですから・・・。