ジタバタのかなた

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《言う者は知らず知る者は言わず》 PDCAを回せだとぉ? その1 

年度末が近付いてまいりましたね。

 

1年間の仕事を振り返って新たな計画を策定する時期でもあります。

そんな見直しに ”PDCAサイクル” という枠組みを使っている組織は多いんじゃないでしょうか。

 

その4文字を聞くだけでドヨーンとした暗い気分になる方もいらっしゃることでしょう。

僕もです。

 

暗い気分になるだけでは悔しいので,僕も加勢しますのでやっつけてやりませんか。

 

僕もご多聞に漏れず ”PDCAを回せ” という号令の不可解さに悩み,いろいろ考えたり調べてみたりしたうちの一人なので,そいつの弱点を少々は知っているからです。

 

というわけで,

◆今回から何度かに分けてPDCAへの対処についてご紹介していきたい

と考えます。

PDCAサイクルについて調べる過程で,いろいろ気付くことなどもありましたので,いま実際に悩んでいらっしゃる方とその情報を共有したいと思いました。

 

 

PDCAのいちばんの弱点は?》

PDCAサイクルが,なぜそんなに実際の現場で絵空事になりやすいのかを調べていくにつれて,その理由は山ほど見つかりました。

 

でも,そのたくさんある問題点のほとんどは,

◆そもそも仕事をするヒトの気持ちなどということは,まったくPDCAサイクルの枠外にある

というところにキューッと吸い込まれていくような気がしました。

 

PDCAを履行しようと実際の現場で懸命に頑張っているのは人です。

その ”人” の思考プロセスや意思決定の機微を,PDCAサイクルは拾う枠組みになっていないのです。

 

実際の仕事をチームでするうえで,個性のことなる個人の集合体が、同じ目標に向かって協調しながら効率的に動くようにマネージすることは,決して簡単なことではありません。

にもかかわらず,P・D・C・Aなんていう単純な4文字のどこにも,そんな問題を処理できる要素は明示されていません。

てことは,チームメイキングなどはすでに済ませているドリームチームであることがPDCA旋回の前提になっているってことですよね。

 

《ほかに使えそうな枠組みはないのか》

ネット上にはほかにも,「PDCAのここダメ」として,

■流れが硬直化して変化に対応できない

■一連のプロセスが悠長すぎる

という指摘などもありました。

ほんとそのとおりです。

 

また,そんなPDCAサイクルに代わるものとして ”OODAループ” という ”変化する敵に勝つための枠組み” があることも知り,そちらもいろいろ調べてみることにしました。

 

PDCAとOODAを較べてみると,やはり僕にとっては,ヒトの思考プロセスや意思決定を中心に考えられている点において,OODAループのほうが現実的に感じられました。

 

その二つの枠組みが圧倒的に異なる点は, 

PDCAがモノやコトを中心にした考え

なのに対して,

◆OODAはヒトの思考プロセスや意思決定を中心にした考え

なのです。

 

また,OODAループには,ヒトが何かを決めるときの重要な要素である ”情報” の処理について十分に検討されていますが,PDCAでは情報に関する概念を明示していません。

それはとりもなおさず,PDCAが ”変化する事象への対処を考えていない” ことを端的に示しています。

 

《枠組みの選択ミスによる業績低下の責任はそれを提唱したヤツがとれよ》 

物を作るのもヒト,敵と戦うのもヒトです。

それらの行動の根幹の部分には必ず,動機付け(やる気)や意思決定というような,実に計量しにくい厄介な代物が存在します。

実はそれが仕事の成否にかかる重要なファクターになっているのに,PDCAを声高に叫ぶタイプの方々はその部分を無邪気に,または,ずるくもスルーします。

 

計画段階で明示される数値目標を,寝ずに飯も食わずに黙々と達成しようとするマッシーンであることを盲目的PDCA主義者は要求します。

そのうえ,数値目標など計量評価しやすいものだけを頼りにするので,計量しにくいものは存在しなかったものとしてスルーです。

 

人間的な感情なんてものはそもそもPDCAのどの文字の段階でも処理することになっていません。

もしPDCAサイクルにおいて,そんな人間的なことを理由に,PLANがDIDN'TになったことがCHECKできたとしても,取り得るACTIONは「ソノ ヤクタタズ ヲ ツマミダセ」でしょう。

PDCAの旋回には慣性力が働くので,次のプランの開始時期はヤクタタズの更生を待ってくれませんからね。

 

計画して,行動して,検証して,見直して・・・

はいはい。それは分かった。ところで・・・

その計画立案を任せるチームのマネージャーやメンバーはどれほど職業的自尊心の強いホットな集団なんだい?組織目標達成のためにどれほどの意欲を発揮してくれるの?

と尋ねて答えに窮するならば,そんな薄っぺらな枠組みが旋回しないだろうことは容易に推測できます。

 

《意識を共有しやすい人数の問題もある》

自分ひとり,または気心のしれた数人の単位でPDCAをというならば分からないでもありません。

でもほんとうは,そんな小さな単位でことさらにPDCAを叫ばなければならないならば,すでに仕事に対する考え方はバラバラになってしまっていて,そんなチームは使えないと思われますが・・・。

 

数百,数千人を擁するような組織において,PDCAなんていうたった4文字の単純な枠組みだけで業績がアップするかのような幻想を抱いて旗を振るならば,もう組織に対する背信行為のレベルです。

 

PDCAが回らないからうまくいかないんだなどと枠組みのせいにする人には,

◆自信たっぷりで馬鹿の一つ覚えみたいにPDCAと叫び続けて,数値目標の不達成を非難するばかりで,組織を構成する大切な仲間が自分たちの仕事に誇りを持てずに士気を下げてしまったせいなんじゃないかと,ちったぁ自分を疑ってみろよぉぉぉ

と言いたい。

ソ連型計画経済が破綻した理由をPDCAに基づいて思い出してみなよ・・・と。

 

えーっと。相当に感情的になってしまったことを反省しています。

そんなゴワゴワした想いが生じるに至ったプロセスや根拠についても,今後おいおいお知らせしていきたいと思います。

 

本質的なところを知ってしっかり武装しておかないと,初期型のひとたちの声のおおきさにやられてしまいますので。

 

まず今回はさわりの部分のみご機嫌うかがいでした。